地のし(地直し)をする理由と方法
講習会の準備を少しずつ進めています。本日は講習会で使用する生地(イタリアのカノニコの生地)に地のしをしました。
ウール生地は縦糸を引っ張って横糸を入れて織るので、縦方向が伸びています。このままの状態でスーツを作ると、長時間着たり雨に濡れたりすると変形してしまいます。そこで、ウールの”熱を加えると元に戻る性質”を利用して、最初の段階で十分に収縮させておくのですね。
もちろんこの作業は生地屋さんでも行っているのですが、出来上がったばかりの新しい生地は、収縮が止まっていない事が多いのです。そこで、”生地は動く”ということを前提に、スーツを作る前には必ず地のしを行います。
地のしの最良の方法は、アイロンの蒸気を使うより、刷毛に水をつけて生地に付着させてからジューッとアイロンを掛ける方法です。
寝癖を蒸しタオルで直すのと似てますね!
ちなみに量産の場合は効率を考え、大量の蒸気でシュランクを行っています。
それではまた次回!
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