講習会用の裄綿を製作しました。
11月に予定しているメンズテーラードジャケット講習会の準備で大忙しです。
その準備の1つとして裄綿を製作しましたので、今回は裄綿について少し説明したいと思います。
裄綿とは何か?
裄綿は主にスーツやジャケットのアームホール上部半分の袖側に使用します。袖の落ち着きの安定やアームホールに接する袖の立体感を促す働きをします。
通常袖はアームホールに接する箇所に部分的にイセを入れることで、表面を立体にしています。そこで保型力を出すために裄綿つけ、裏側から押し出すことで袖を美しく見せます。
袖の裏側に接する部分は表側に裄綿の当たりが響かないようにフェルトを使用し、少し控えて毛芯を付け、更に部分の張りを出すパーツを付けています。部分パーツは使う目的によって芯の素材を変えることもあります。
何故このような形になったのか?
アームホールの形は穴として見るとインカーブになっていますよね。もしここに真っ直ぐの裄綿が付いた場合、袖山の頂点は裄綿が余りシワになり、表側に当たりが出てしまいます。
アームホールの前下は曲線がより強くなり、直線の裄綿をインカーブに合わせると勝手に丸まってしまいます。これでは本来押し出す役目の裄綿は役目を果たしません。そこで裄綿本来の目的を考えるとこのような形になります。
この形は図入れ効率が悪いので、量産型の真っ直ぐな裄綿よりコストが高くなります。しかし、良いモノ作りを知って頂くために講習会では自作の裄綿を使用します。
今回の裄綿のパターンです。
いかがでしたでしょうか?
役に立ったら是非シェアしてくださいね。
クリックして頂けると私のやる気がアップします。
フル工程テキスト本編4冊、アイテム毎の短編テキスト(パターン解説のみ)、好評発売中。
タグ:裄綿
コメントを残す